「……でもまだ出逢って一日しか経ってないんやで?」
──…そう。
出逢ってたった一日。
まだ全然何も知らない。
君の事も、この気持ちも。
「キッカケってそういうもんだよ、純。」
「………キッカケ…?」
吾郎が優しく声を掛けてきて、俺は顔を上げた。
「…そうね。
だからこれから知っていったらいいんじゃない?
その子の事。」
マリアがそう言って笑いかけた。
「……でもさ?
……チカちゃんはどーすんの?」
─────……。
壱の声でハッと目を覚ます。
……チカ……。
その言葉を聞くと、マリアも首を捻りながら口を開く。
「いや……
チカもチカだからね。
あの子はワガママで自我が強いから、言うタイミング注意した方がいいよ、純。」
「……そうだな。
その彩ちゃんへの気持ちが純の中でハッキリ確立したらチカちゃんに言ったら?」
「……………」
「別に今言ってもいいとは思うよ、俺は。
でも純も自分の気持ちに戸惑ってるんだろ?」
「……そうやな…
戸惑ってんのは確かやな…」
「焦ることないよ、純。
チカちゃんには散々振り回されて来たんだもん。
…俺らも含めてさ。
だから、純も少しはゆっくり考える時間あっていいと思う!」
壱は明るく俺の肩を叩いてそう言った。



