「──…応援歌。
…………ぶんに……。」
───…チカに……。
俺は空に向かって笑った。
───……歌えた……。
昔は当たり前のように歌っていた俺。
それがいつしか歌えなくなり、歌うことが怖くて音楽から背を向けていた日々。
「──……ふ……っ
─────…ッ……」
そんな俺の歌を聞いて、彩は涙を流して泣いていた。
──“あなたの曲に救われてるの”──
──“そんな人間がいるってこと、忘れないでね”───
……いつしか言われた香宮さんの言葉が、俺の胸をさすらう。
───…あぁ。
俺はやっぱり歌うことが好きだ。
そんな風に応援してくれる人や、こんな風に涙を流してくれる人がいるんだから。
………そうか。
初めからここにあったのか。
──俺の存在意義。
気付けなくてごめんな。
見落としたりしてごめんな。
でも、もう失ったりしないから。
今横で涙を流す、彩の事も。



