──…俺は、桜が舞い散る景色の中を彩と共に歩いた。
「……朝岡さん、ちょっと痩せた?」
「んー?そうかな?
まぁ色々あったからな…」
「……そうなの?」
「…うん、ほんまに色々あった。」
………“実は冬にぶっ倒れてました”、なんて言えやしない。
──…俺は今までの出来事を思い返し、川を見つめて笑った。
「じゃー…
彩が朝岡さんに元気を上げよう♪」
「え?」
「はいこれっ♪」
──…そう言って彩が差し出したのは、ディズニーランドの紙袋。
………プーさんと、俺が好きな甘いチョコだった。
「おー♪ありがとうな。
むっちゃ元気になったわ。」
俺は嬉しくて嬉しくて、我慢出来ずに笑う。
破られた絵に続き、また再び貰えたプレゼント。
「……でもさ?
彩これいつ行ったやつ?
何か春にしてはプーさんがハロウィンの格好してるけど……」
そう、ハロウィンの格好をしたプーは春に似つかわしくない。
彩はジーッとお土産を見て、顔を赤らめた。
「………秋……?」
「あはは、やっぱり。」
───…きっとあいつと行ったんだろう。
だってその態度がそう語っているから。
……ありがとう。
そんな中でも、俺を思い出して買ってきてくれて。
俺はチョコを一枚、口にくわえて笑った。
……憎しみとか恨みとか。
そんな厭世的なもの、もう浮き上がらない。
君がいないだけで、
俺は弱くなる。
君がいるだけで、
俺は強くなれる。
あぁ……
こういうことだったんだ。
今なら……
今なら歌えるかな──…?



