「──…本当は……っ
……俺……
彩が、今日来てくれる事を少し期待していたんです──……。」
「…………」
あぁ……
だからさっき俺に──…
“何であなたなんですか”
「別れを告げたのは俺なのに、まだ期待してる自分もいて……
……バカですよね……
彩に、最後に渡した手紙に……
“今日出発する”って書いたんです……
まるで来てくれるかを試すみたいに………
………でも…もう……」
───こんなにもここには人が溢れているのに……
ぶんが待ち望んでいる人の姿はない。
「……改めて……
終わっているって答えを思い知らされた気がして──……っ
~~~~ッ……」
「───……」
─────ポン……
俺は言葉を掛けず、ただただ小さくなったぶんの背中に触れた。
その胸の内に秘められた、報われない想いとどうしようもない気持ちが、少しでも浮かばれるように。



