「………え……」
チカがケータイをひらひら揺らしている。
まるで、“見て”と促すように───……
「……………?」
────パカッ……
'**/03/24 07:11
From:チカ
─────────
ありがとう、純。
純が
幸せになれますように
-END-
「───────っ」
チカはドア越しににっこり笑って手を振った。
そして……
声に出さず俺に向かって呟いた。
さ
よ
な
ら
━━━━ガタン、ガタン!
「………チカ………ッ…………!!」
電車が動き出し、チカがどんどん遠くなっていく。
━━━━ガタン、ガタンガタン……
「~~~~~ッ…
お前も…………
お前も幸せになれよっ!!
幸せにならんと許さんからな…………っ!!」
────ガタン、ガタンガタン………。
…………チカ…………
誰もいなくなったホームに一人、遠くなった電車をいつまでも見つめていた。
……チカ────……
恋とは呼べなかった形。
傷付けて、傷つけられた。
お互い傷を負い、傷付け合った結果、そこからは何も生まれなかった。
だけど、今になって思うんだ。
──…決して無駄なんかじゃなかったと。
痛みを知らなければ、人は人に優しくなんか出来ないと。
……そう教わり、身を持って学んだ気がするんだ。
次に恋をするときは、お互い相手を思いやろうな。
そうすれば、
俺達が出会った事も、
辿ってきた道も、
決して無駄にはならないんだから。
幸せになって。
そして強くなって、この時代を生き抜いて。
祈ってるよ、心から。
──チカ………
ありがとう……な………



