────数週間後…。
────ピピピピ!!
ピピピピ…………
━━━━━バシッ!
「……うっさ……」
鳴り響く目覚ましを手で叩き、
「………ん~~っ…」
部屋に注ぐ温かい光に目を細め、春の朝を体中で感じた。
「……さて、と……」
机に置いてある、朝飯を見て微笑む。
“ちゃんと食えよ”
「へいへい……」
置き手紙を読んで、俺は吾郎が作ってくれたサンドイッチを頬張る。
「……うまっ。」
当たり前に迎えていた朝の光景がまた戻って来て、俺は何とも言えない幸せを胸に灯らせた。
─────ザァァァ…!
熱いシャワーを浴び、着替えて香水を馴染ませる。
……何も変わらない朝。
ただ、音を失くしてしまった以外は──……。
机からいつしか消えた楽譜に物寂しさを覚えながら、俺は家を出た。
──…外に出た瞬間、まだ朝方の澄んだ青い空が視界にハッキリと映る。
その清々しい空気を吸いながら、俺は最寄りの駅に向かった。
───……別れを
告げる為に。



