『……もしもし?朝岡さん?』
──…ケータイから聞こえてくるのは、だいぶ懐かしい感じさえするぶんの声だ。
「………おぅ。
何や、いきなり?」
『……いや実は今日……
───卒業式なんです。』
「─────はぁ?」
………卒業?
………卒業式?
って………………
「────…マジ?」
俺はあまりに驚いて、自分でもびっくりするくらいの地声でそう言っていた。
『……何マヌケな返事してるんですか。
──卒業式ですよ、卒業式!
俺もチヒロもアミも今日で卒業です!!!!』
「───……あ……
そう………か………
うん………
もう卒業……か………」
俺はそこで、やっと桜が舞う季節と卒業式が一致した。
『……まったく。
それで……今から来れますか?
チヒロ達が、
“どうしても自分達の晴れ姿を見て欲しいから電話しろ”って、さっきからうるさいんです。』
「───……はい?
今から行けと?」
『……はい。
それにあなたに会うのも今日が最後でしょうし。
出来たら来てやって下さい。
──…みんな待ってますから。
……それに────……』
「……………?」
『俺に気を使わなくてもいいですよ。
………俺………
────別れましたから…………。
───彩と…………。』
──────え……
『だから、別にもう堅苦しい思いしないでいいんで。
出来たら、来て下さいね。それじゃ────…』
─────プツッ。
ツー…………
ツー…………
ツー…………



