────…向かった先は、何故か屋上。
てっきりチカも病室にいるのかと思っていたが……
────…トン…
…………トン──……
「純、ゆっくりな。」
「しっかり掴まって!」
「……あぁ、うん……
ありがと………」
屋上に続く階段を、吾郎と壱に肩を借りながらゆっくりと昇って行った時だった。
「───……そんな理由で済まされるワケがないでしょう……?」
────……
………マリア………?
ようやく屋上への扉に近付いたその時、半開きになっているドアから確かにマリアの声が聞こえた。
「…………?」
そのただならない雰囲気に違和感を覚え、俺は出来るだけ早く階段を昇る。
──…そして、その耳にとんでもない真実が舞い込んで来た。
「……ご……めんなさい……」
「謝って済まされる問題じゃないわよ!!!!
あんたどんだけ純を苦しめたら気が済むの!?!?」
「…………っ………」
………マリア……?
………チカ………?
「純がどんだけ苦しんでたか、あんた知ってる!?!?
純があんなに痩せたの見たら分かるでしょう……!?
純、声も出なくなって……
過呼吸まで起こしながら、あんたの事必死に考えてたんだよ!!!!!!
……それなのに……
どうして妊娠したなんてウソつくの!?!?!?」
─────…………



