「……っとにかく……
チカちゃんを探そう!」
「……吾郎……」
俺はふらつく足取りを立て直しながら頷く。
「でも………
ここら辺に踏み切りがある場所ってどこかしら……」
「───こっちだよ!!!
俺知ってる!付いて来て」
マリアの疑問に壱が答えて走り出す。
────バタバタっ…!
壱に続き、俺達も一緒に走り出した。
「………ゲホ……ゲホゲホ────…ッ!!!」
走りながら、身体が悲鳴を上げるのを感じた。
「……純……!大丈夫!?
もししんどいならあたし達だけで───…」
「いける……っ大丈夫…」
去年からろくに食べも寝てもしていない体にとって、全速力で走るのは死活問題な気がした。
でも守りたい。
───守りたいんだ。
──────………
"純っ♪
ねぇ
あたし純が大好きだよ!"
"俺が………
一生好きになられへんくても?"
"好きにさせてみるよ♪
だから付き合ってみようよ♪"
………そう言って始まった高校生のある日。
『チカの気持ち、俺には理解出来ひん。』
『何でそんなに俺に必死になれる?』
今までそんな理屈ばかり言って遠ざけていた。
チカの気持ち──…
人がどうしてそんなに夢中になるのか、
どうしてこんなに何も見えなくなるのか。
離れたくない。
手放したくない。
振り向かせたい。
譲れない、どうしても。
────…俺も、やっと分かったよ。
そんな気持ちが本当なんだって、俺も身を呈して分かったよ。
だからチカの必死な気持ちゆえに振り切れないでいた。
ここまでギリギリにして、ごめん。
今からじゃ遅いか?
もう一度、向き合えないか?
こんな俺じゃダメか……?



