「……純……」
「………ゲホッ!!ケホケホ…」
再び咳き込み出し、俺は言葉が出ずに視線でマリアを遠ざけた。
「………あたしは……
純がこれ以上苦しむのも嫌だし、吾郎が苦しむのも嫌よ──…」
「……何言っ……」
「─────純。」
名前を呼ばれ振り返ると、そこには──……
「………吾郎………」
───吾郎が、俺を見透かすような眼差しで立っていた。
「───純、病院行けよ。」
「………」
「その咳明らかにおかしいだろ。
チカちゃんとどうなろうと勝手だけど、もっと自分の体大事にしろ。」
「…………」
「──…行こう、マリア。」
吾郎がマリアを促し、二人が練習部屋を出ようとした時……
「────……っ」
自分の中の汚い感情がマグマのように煮え上がる。
───何?
二人して幸せアピール?
お前らはいいよな。
そうやってお互いに気持ちが通じ合ってて、何の不安もないんだもんな。
何も知らないくせに同情たっぷりの偽りの言葉吐き捨てんなよ。
───何で……
何で俺ばっか………!!!!
「…………くそっ────……!!」
沸き上がる、猜疑心。
他人の幸せがイライラする。
素直に受け止められない。
嫌だ、嫌だ嫌だ。
仲間に対してこんな感情抱きたくないのに───…!
「────あっ!!♪
純~~っっっ!!!!!♪」
その時、壱がひょっこりと俺の前に現れた。



