「……朝岡さん。」
「……ん?」
──……海に吹きすさぶ風に吹かれながら、一体いつまでそうしていたことだろう。
ぶんは変わらない海を見つめながら、俺に再び話し掛けた。
「──…チカさんとは……
うまく、いってますか?」
────…………
その質問には、今度は俺が答えられなかった。
「……さぁ……な。
……大人の事情や。」
「……何ですかそれ。」
ぶんはくすくすと笑い、
─────ヒュッ!
すぐそばにあった貝殻を海へ投げた。
「……どうしてでしょうね……。
考えたくもないのに……
────俺には、
この恋の終わりが見えるんです。」
─────ポチャン…。
ぶんがそう言ったと同時に、貝殻が海の底へ沈んだ。
────まるでそれは、
ぶんの言っている恋の終末を表しているかのようだった。



