「──…分かっています…!
あの子を泣かせてしまう事も、自分勝手だって事も!!
でも───…!
でも!!!!
このまま夢を諦めるなんて、俺には絶対出来ません!!」
「…………」
「………教えて下さい……
……朝岡さん………
夢は愛を妨げるものなんですか?
それとも、
愛が夢を妨げるものなんですか────…?」
「────……っ……」
「───……教え……て……」
……誰でもいい。
答えがあるのなら、
どうかこいつを導いてやって。
誰も傷つかず、
誰も涙を流さず、
何も犠牲にしない方法があると言うのなら。
「……………」
俺はぶんに薄っぺらい言葉をかけてあげられるほど人間出来てないし
だからと言って、彩を変わりに幸せに出来るなんて言う自信は欠片もない。
今の状況を打破出来るような柔らかい頭でもないし
“大丈夫、何とかなる”
なんて、そんな何の根拠もないこと言えやしない。
───…そう。
だから救いの手なんか軽く差し伸べられない。
いつもは嫌でも手を差し伸べていた俺が
あの中途半端な俺が
───“出来ない”だなんて。
俺の腕を握り懇願してくるぶんが……
とても儚くて脆くて
今にも崩れ落ちそうになって
口から出る言葉全てが偽りになりそうで
─────…ザァッ…
………ザザン──……ッ
───波だけが、
まるで発言権を許されたかのように
二人を見守るように優しく響いていた。



