俺は静かに頷き、二人して気付かれないように輪から離れた。
────…ザザッ……
……ザァン───……
何も話さない中、打ち寄せる波の音だけが辺りに響く。
「……………」
「……………」
どちらも口を開かず、
ただ砂浜を歩き続けていると、
「───…朝岡さん。」
「……ん?」
ようやく、ぶんが固い口を開いて俺を見つめた。
「──……朝岡さんの夢って何ですか?」
「───…へ?」
何かと思えばそんな事をいきなり聞いてきたもんだから
「───……夢?」
俺は逆にそう聞き返してしまった。
「───…はい。
朝岡さんにとっての夢は、一体何ですか?」
「……ん~……
せやなぁ………」
抽象的な質問に対して、
具体的に答えを返す事がなかなか出来なくて
「──…何やろなぁ…。
夢とか、実はないんかもな。」
俺がそう言うとぶんはふっと気が抜けたように笑い、
「──…つまらない人ですね。」
「……そ?
俺は大真面目やけど。
何や、話ってもしかして進路の相談か?」
俺は砂浜に腰を下ろし、
同意を求めるようにぶんを見つめた。



