───白く光らせていた太陽が沈みかけ、海は赤へと姿を変える。
────…夕焼け。
「先輩!
今までお疲れ様でしたっ!」
──……パチパチパチ…
その中で起こる拍手。
瞳を涙で潤ませた後輩達が大きな花束を抱え、ぶんに手渡す。
「ありがとう。」
輪に囲まれながら笑顔で花束を受け取るぶんを見つめ、
自分が引退した時の光景と重なり懐かしくなった。
『──…新入部員の高山です。』
……つい最近そう言っていたぶんがもう──…
───…早いもんだな。
時間も、月日も。
今を重ねるたびに足跡ができ、
振り返ればそれは既に思い出という形になる。
一瞬一瞬、
一歩一歩が
その時は“今”のはずが
進むたびに軌跡となり、
足跡となり、
───もう
二度と戻ることはない。
━━━━━ヒュー…
パンッパンッ!
真っ黒い空の紙に引っくり返したような、色とりどりの花火が散る。
「キャハハッ!危ない~!!」
「火ー貸して火!」
──…みんなは花火に夢中だ。
そんな夜空に舞う花火を見つめていた時だった。
「───…朝岡さん。
今大丈夫ですか?」
───ぶんがそう話しかけてきて、俺はゆっくりと振り向いた。



