「……何やねん……」
何も言わないケータイに向かってそう言い、
溜め息を付きながらも俺はスケジュール帳を確認した。
───……空白、
空白、
空白─────……。
って、
「……こーいう時だけバッチリ予定合うってどういうことや……」
別にこれと言って予定もなく、断る理由も思い浮かばない。
だからと言って、率先して行く元気もないけれど……。
──…迷いに迷った末、
俺は送別会に行くことになった。
何度も断ったのだが、
ぶんは頑として“来て欲しい”の一点張り。
これほどまで懇願してくるくらいだから、多分何かあるに違いない。
………そんな、
ただならぬぶんの気迫を感じた。
そして同時に失恋後、初めて彩と会う事になってしまった。
────そして、
一週間後……。
目が眩む程の太陽の光が容赦なく照らす、暑い夏日。
空には雲は全くなく、青一色。
…………そう、あっという間に送別会当日。
「───あっ!!!
朝岡さぁぁぁぁんっ!!」
待ち合わせ場所の最寄り駅で、お馴染みチヒロ達が手を振って歓迎してくれている。
俺も手を振り返し、
「よっ、久しぶり~。」
「キャー!!朝岡さん本当にお久しぶりですっ!!
……あれ?
朝岡さん、見ないうちにちょっと痩せましたか?」
─────…うっ。
「……い、いや?
ただの夏バテちゃうかなぁ……。」
鋭いチヒロに笑ってスルーした俺の耳に、
「──あっ!彩だ!!
おーいっっっ!
彩ぁぁぁぁ~!!!」
必死にキョーコが手を振る先には───…
「みんな早ぁい~っ!!」
────ドキン……
そう叫び、必死で走ってくる彩の姿だった。



