人はどうして孤独を嫌うのだろうか。
誰しも一人になりたくないと思うのは正論なのか、
それともそれは単なる人の弱さだという曲論なのか───……。
そんな考えを巡らせていると、
「──…でもね……
まだあたしにはあたしを支えてくれるものがある。
それが、音楽なの。」
香宮さんは音楽について触れると、とてもやわらかな表情で俺に笑った。
「音楽があるからあたしはまだ頑張れる…。
たとえ一人でも、寂しくても没頭出来る……。
人はね、それを見て寂しい人間だと指をさして笑うかもしれない。
でもね、あたしにはそれが希望の光なのよ。」
「………」
香宮さんは、さっきとは違う表情で笑った。
その笑顔はさっきより比べものにならないほどに光を帯びている。
「………不思議ね。
それに気付いてからは、だいぶ肩が楽になったの。
……それにあたしね?
実は密かに紅のファンなのよ。」
「──…え?」
俺が驚いて顔を上げると、香宮さんは照れながら俯いた。
「ライブも全て見に行ってるわ。
あなたが作った曲、あたしどれも大好きよ。
あなたの曲に、あたし何度も救われてるの。」
香宮さんはニコッと微笑み、
「──…あなたを影ながら支えにしてる。
そんな人間もいるってこと、忘れないでね。」
そう言終えると、香宮さんは手を振って飲み会から姿を消した。



