「──…優しくなんかない……
俺はいつも中途半端やから………」
正直に言うよ。
吐き気がするくらい、こんな自分が嫌だ。
中途半端な優しさで他人を傷付けてしまう自分。
なら初めから、手なんか差し伸べなきゃいいのに。
分かっているのに差し出してしまう俺は
“偽善者”
「……そんな事ないよ。」
そう言われて、俺はハッと我に返った。
「…朝岡くんは誰に対しても分け隔てなく、優しく出来る人じゃない。
現に今、誰もあたしに近寄ってなんか来ないのに、来てくれた。
──あたし……
すごく嬉しかったのよ。」
「…………」
「だぁーれも相手にしてくれない、ずーっと無視され続けてたら───…。
……こうにでもなっちゃう。」
ふっと笑って、香宮さんは袖の上から手首をさすった。
「…………」
「切る事で見つけるの。
……探し続けるのよ。
──…自分の存在価値を。」
………頭に、浮かぶ。
“………お願い……
一人にしないで……”
そして重なる。
あの日の
泣きながら呟くチカが。



