香宮さんはかなり驚いた様子で俺を見て、サッと顔を逸らした。
──…黒縁メガネにロングヘアの黒髪。
真面目そうな香宮さんは、その風貌通り成績優秀。
一度グループ演奏をした時、香宮さんのピアノ演奏にすげぇって感服した記憶が真新しい。
だけど大人しくてあんまり発言しなかったから、他のヤツから睨まれてた記憶もある──…。
とりあえず何より、謝らんとな……。
そう決心して、香宮さんを見つめた。
「───…あの…さ……
さっきの…聞こえてたよな……。
ごめんな……」
「…………」
香宮さんは無言で俯いているが、
────ギュッ…!!!!
強く握り締めている拳が、明らかにカタカタと震えていた。
「…………」
俺も何と言って良いか分からず同じく下を向くが、
香宮さんはゆっくり顔を上げ──…
「……朝岡……くんは…
優しい……のね──……」
そう言った、香宮さんのか細い声が俺の耳に聞こえた。



