────…夜……。
気分が乗らない俺は、
案の定飲むことは出来ず、食べることもほとんど出来なかった。
「かんぱーいっ♪♪」
「お疲れ様~!!♪」
そんな祝杯と、あちこちでグラスが当たる音を聞きながら、俺も片手にグラスを持ちながら作り笑いを並べる。
「みんなおっつかれー!!
飲もう飲もう、今日はパーっと飲もうっ♪」
壱は遠くの方でキャッキャとみんなと騒ぎ、
「壱!お前こぼしてるんだよ!!
あぁ~もう~!!」
吾郎はそう言いながらはしゃぐ壱を追い回し、
マリアはいつものように群れには群れず、一人煙草を吹かしながら窓辺にいた。
俺は更にみんなから離れるかのように距離を置き、
「───…ふーっ……」
そう息を吐きながら壁にもたれ掛かり、口も付けていないグラスを机に置いた。
───…が、
「純くーんっ♪
全然飲んでないじゃない♪」
「……………」
完全に撒いたつもりが失敗。
振り返ると、
巻き髪コテコテ、
睫毛バサバサのいかにも、タイプの女がグラス片手に近付いて来た。
「どーしたのっ?
お酒強いんだよねぇ?」
「……あー、うん強いけど今日はテスト疲れであんまり進まんのよねー…。」
「……ふーん……。」
キツい香水がよけいに頭痛を促進させそうで、俺は徐々に距離を離すが、
────グイッ!
「─────?!」
突然体ごと引っ張られ、
「しんどいなら……
あたしとこのまま休憩出来るとこに消えちゃってもいいけど?♪」
そう耳元で囁き、極めつけにこれでもかと言う程のウインクをされてしまった。



