───……ガラッ……。
病室のドアを開けると、チカがベッドで眠っていた。
縫った跡と包帯で痛々しい手首を見ると、胸がギュッと痛む。
───………
“あなたの名前をずっと呼んでいました”
“よほど大切に思っているんでしょうね”
───…………
「───…チカ……」
そっと手を握りチカの名前を呼ぶと、チカはフッと目を開け……
「………純………」
「──…チカ……良かった……」
「……良く…ないよ……
あたし──…
死ねば良かった…
そしたら……
純の迷惑にならないのに……ね……」
「アホか……
んなこと俺は望んでないやろ……」
チカは涙をうっすらと浮かべながら首を横に振った。
「──…純……
あたし……
純を失いたくない……
どこにも行かないで欲しいの……
一人に……しないで………」
「──────…っ」
………チカは俺を必要としている。
チカの支えが俺なら、
──……俺は?
俺の支えは何だ?
何を糧に、
何を支えに、
どう生きればいいのだろう。
「───……分か…らん…っ……~~~っ……!!」
──ポタッ………
ポタポタッ………──
眠るチカのベッドに次々と涙の染みが出来た。
支えが欲しいと
光が欲しいと
先が見えない暗闇で懇願しながら───……。



