「………純………」
「──…ごっ…ごめ…
やっぱ俺疲れてるかも。
帰って休むわ。
……じゃ……ごめんな。」
「────純!」
俺は振り返らずに背を向けた。
そして逃げるように車に乗り込んで自宅へと向かった。
──…結局、
居場所なんか初めからないんだ。
彩という光を失い、
仲間を危険から守るために自分から遠ざけ、
あるのは───…
────……カチャ…。
自宅前に着き、
俺は鍵を取り出すが
鍵を差し込まなくても開いているドアに気付いた。
開いてるって事は、
まさか───…?
だけど部屋は真っ暗だ。
「…………?」
途端に嫌な予感がした。
「───……チカ……?
いるんか………?」
────…パチっ…。
俺は恐る恐る電気を付ける。
───…そして、
俺の視界に入って来た光景は──……
「──────!!
……チカ──…っっ?!」
光が照らした部屋には
床に倒れ、
手首から血を流すチカの姿だった。



