「……チカと…さ…
別れた時も一人でここ来てた……。」
「…………」
あの冬の日、
傷ついた体と傷ついた心でずっとここで迷ってた。
バラバラにされた絵を、
震える手で抱えながら。
“………ごめん………”
舞う雪の中で一人そう呟いていた。
それは、誰に対しての懺悔だったのだろう?
自分に対してか、
彩に対してか、
チカに対してか、
破られた絵に対してか。
分からないけれど、ずっとひたすら謝っていたんだ。
「……俺……
ずっと迷ってた。
チカを傷つけるんか、
それとも──…
自分の気持ちを犠牲にするか──…」
「………」
唇を噛んで話を遮ってしまう。
だってそんな簡単に、
この思いを言葉になんて出来ないから。
俺が一体いつもどんな思いでいたと思う?
いつでも、君だけを想っていた。
ずっと、ずっと。
「チカを傷つけるのが怖かった……。
最初はあかんって制御してたのに……
無理……やった……」
そんなはずはないと否定しながら、
いつの間にか君は俺の心に宿っていた。
いつしかそれが当たり前になっていた。
「───…彩……」
「………ん……?」
────タイムリミット。
「───…俺…
もう…………
ずっと……
ずっと好きやった─…
彩のこと──……」



