「……な…に…これ……?」
ブーケと俺を交互に見ながら、忙しく視線を動かす彩。
その驚きぶりに、俺はついフッと笑ってしまう。
「何って、サプライズ♪」
「……え………?
……う、うそ……っ」
「ほんまやって♪
事前に言って、用意してもらっててん。
せっかくやから貰って?」
「……………」
「……あれ?いらん?
なら──…」
「──いっ、いる!!!!」
彩は俺から盗られないように、急いでブーケをギュッと握った。
「──…ふっ……」
そんな子供みたいな反抗に、俺の顔がますます緩む。
「……嬉しい……
あたし、お花なんか貰ったの初めて……。」
「そうなん?
初めての花束がこんなミニブーケでごめんな。」
「ううん!!そんな事ない!!十分嬉しいもん!」
「……そ?なら良かった。」
照れ笑いを隠すように駐車場に向かって颯爽と歩く俺の背中に、
「……朝岡さん……?」
甘く奥ゆかしい声が俺を呼び止める。
「ん?」
「……あ、あの……
……ありがとう……」
───…忘れもしないよ。
そうやってブーケを握り締め、照れながら微笑む彩の……
まさに、
花のような華やかな笑顔を。
……あれからいくつかの季節が過ぎた、今でも。
あの笑顔は、
今も色褪せずに俺の心で咲き誇っている。



