────ドクッ……。
ぶんが、すぐ傍にいる気がした。
居ないはずなのに妙に存在感があるのは、その光の輝きのせいか?
きっと──…
彩は俺に気を遣い、手には付けずにチェーンを通してネックレスにしたのだろう。
悔しい、とは思わなかった。
普通なら、こんな風に変な気を遣われた方が傷つくのかもしれない。
──…だけど、
もう今の俺には
ぶんが見えない力で彩を守っている事も
彩がぶんを想っている事も
素直に、受け止められる気がした。
……むしろ、
これはもう“諦めるキッカケ”に過ぎない。
「───…さん?」
「え?」
ハッと我に返った俺の前には、心配そうに見つめる彩と……
「パスタ、来たよ?」
いつの間にか目の前で、パスタの湯気がふわふわと上がっていた。
「…あ、あぁごめん。
食べよっか?」
「うんっ♪
美味しそうだねっ♪」
考えるのは、
傷つくのは、
もうよそう。
傷つくんじゃなくて、俺はこの時間を楽しみたいんだ。
……たとえ、
結末は分かっていても。
「彩、この和風も食べてみる?」
「うんっ♪
じゃああたしのも食べてっ♪」
にこっと笑う彩に俺も笑顔を返し、二人で食事を始めた。



