今か今かと授業が終わるのを待ち続け、チャイムか鳴った瞬間と同時に教室から飛び出した。
────ヴォン……。
エンジンを掛けて走り出した時には、辺りはもう春の夕刻の景色に包まれていた。
──…地元に戻るのは、
あの冬の日以来。
ここももう寒々しい冬は旅立ち、温かい春が訪れているようだ。
大学から出発して、かれこれ一時間以上走り続けただろうか。
見慣れた街並みが見え始め、俺は徐々に速度を落とした。
────……そして、
彩の家に到着……。
「──……やば……」
緊張、する。
一体、俺は彩にどんな顔をすればいい?
どんな言葉を掛ければいい?
──けれどその時。
もう迷うヒマはなく……
────パタン…
タイミング良く、玄関から現れたのは……
「──彩っ!!」
窓から素早く顔を出し、名前を呼んだ。
「朝岡さん─…」
彩は驚き、戸惑いの表情をしながら俺を見つめている。
「むっちゃ久しぶり♪
突っ立ってんと早よ乗り♪」
俺は急いで助手席側に手を伸ばし、ドアを開けた。



