その女の子は、不信感たっぷりの目で俺をじっと見つめている。
…って俺、まさか怪しまれてる?
「……あ、
まずは初めましてかな♪」
……落ち着く為に、
とりあえず笑う。
落ち着け、落ち着け俺…。
「…は、初めまして……。」
女の子は、キョトンとしたままオウム返しのようにそう言った。
ちょっと警戒しているんだろう。
まだどうしたらいいか分からないような顔で俺を見つめている。
「あはは。
そんな怖がらんといて?
──俺は朝岡 純。
この学校の卒業生でな、
和太鼓出身やってん♪」
そう軽く自己紹介すると、その女の子は謎が解明されたように口を開いた。
「あ、だから私服なんですね?」
「そういうこと♪」
そう俺が笑うと、
女の子の顔から警戒がなくなった。
その顔に、俺は自然と笑顔になっていく。
──…ヤバい。
もっと、話してみたい。
「自分、新入生?」
「はいっ♪
この4月から入部した、
桜井 彩です♪」
───ドキッ!
もう一度、心臓が大きく飛び上がった。
引きつけられるような、
愛くるしい笑顔。
──桜井 彩──
春にピッタリな、可愛い名前。
何度も何度も。
その名前を心に刻んだ──…。



