「…あっいたいた!
朝岡~!!
池内先生がお前の事探してたぞっ!
研究室に来いってさ!!」
その時、同じゼミの仲間にポンと肩を叩かれ、
「あぁ、分かった。」
笑顔で返事を返し、
まだ状況を飲み込んでいない吾郎、壱、マリアの三人に背を向け歩き出した。
───…カツン、
カツン……。
冷たい風が吹く廊下を一人で歩きながら─…
初めて三人に嘘を付いた事を深く後悔した。
彩も仲間も守るには、
今のところ嘘を付くしかない。
俺に関わったら、またみんなを巻き込んでしまうから。
……それが俺には一番耐えられない。
だから、これが誰も傷付かない一番いい方法じゃないか?
………いや──…
違うか?
ただ単に、もう誰にも話したくないからか。
「──…それやったら俺、ただのめんどくさがりみたいやん……」
可笑しくもないのに微笑して、
────…コンコン。
池内教授の研究室のドアをノックした。
「───…はい。」
「朝岡ですが。
何かお呼びですか?」
「……あぁ、入りなさい。」
「はい、失礼致します。」
俺は研究室の扉をゆっくり開き、中へと足を踏み入れた。



