────はぁっ…はぁっ…
乱れる息で宛てもなく道を彷徨う。
………チカを探して、もう何十分が経過したのだろうか。
街やチカの実家に訪ねてみるも、チカの姿は全く見当たらなかった。
「……どこ行ったんや…っ」
“──純の優しさは…
時に人を傷付ける……っ”
──…ふいに、
クリスマスイブにチカが言った一言が脳裏に蘇った。
……なら……
チカの後を追いかける、
これも“優しさ”になってしまうんだろうか。
探さずに放っといた方がいいのだろうか?
……答えが分からない。
分からない──……。
────♪…♪♪…
その時、ポケットから着信が鳴り響いた。
「───!」
急いでケータイを取り出し、着信相手を確認する。
───…が………
【着信;彩】
「────なっ……」
画面に表示された、“彩”の文字。
どうして──…
心臓が落ちるとこまで落ちたんじゃないかと思うくらい、心底驚いた。
何故、彩───…?
まさか…………
─────ピッ……
『────はい……』
これ以上考えると、頭が痛くなりそうで。
自分でもビックリするくらい、吸い付くように通話ボタンを押していた。
「…朝岡さん…」
『ん…?』
聞こえてきたのは、胸が張り裂けそうなくらい愛しい彩の声。
だけどいつもと様子が明らかに違う。
俺を気遣うかのような、
俺を探っているかのような、そんな不安げな声。
───…嫌な予感がする。
『……聞いたよ…。』
「───……え……?」
『チカさんから…』
─────ドクン……
………それは
一番当たって欲しくない予想が当たってしまった瞬間だった。



