───数日が経った。
無意味に長い大学の冬休み。
俺はまだ一人暮らし先には戻らず、実家の自分の部屋にいた。
──…チカと、話をする為に。
「………はぁ………」
溜め息にも負けそうな気分を何とか持ち上げようと、俺は一人暮らし先から持ってきた一枚の絵を見つめていた。
……初めて彩から貰った、彩が描いた海の絵。
……何か分からんけど、見つめてたら妙に心が落ち着く。
…………
別れを自分が望んでいるのに、言いたくないなんて矛盾していると思う。
──当たり前だ。
人一人を今から傷つけるのだから。
────ピンポーン。
鳴り響いたインターホンを聞くと体が一瞬硬直したが、
────カチャ……
覚悟を決め、ドアを開く。
「……純……」
ドアを開ければ、
そこには少し戸惑いながら俺を見つめているチカの姿があった。
「チカ、ごめんわざわざ。中入って?」
「……うん……」
冷静を保ちながらチカを中に招き、お茶を出す。
「…………」
「…………」
──…深い沈黙が訪れ、重い空気が支配する中……。
「──…純。
先に、あたしの話を聞いて?」
──チカが、顔を上げた。



