Dearest 1st 〜Dream〜





離れていくチカに何も言い返せず、俺はただ一点を茫然と見つめていた。





今チカに言われた言葉が、“偽善者”と形を変える。







「…チカさん…?」







──…彩がチカと会話しているのを遠くで感じながら──……






何故か俺だけ異世界にいるように感じた。







「────………っ」







じゃあどうしたら良かったんだ。




関係ないからとチカをあのままにしておけば良かったのか?





無意識に俺を頼って来たと言ったチカを?





俺がやったことは全て間違っていて、




そしてそれは傷つけてしまう結果となって、





結局は同情という名で片付けられてしまうっていうのか──…?






………違うのに。





何かチカの力になりたかった。





笑顔になって、元気になってくれればそれで良かった。







──それだけだったのに。






言いようのない感情が、波のように次々と押し寄せてくる。






……だけど偽善者には変わりはないんだと思ったら、何を考えても異論は出なかった。







チカの言う通りだ。






これは“優しさ”なんかじゃない。






俺の“中途半端さ”が、チカを傷つけてしまったんだ。






何で俺はこうなんだろう?






自問自答しても答えは見つからなかった。






───…雪の降る、クリスマスイブ。






あの日、確かに俺の心の中でも雪は振っていた。





俺の行き先を埋め尽くすかのような、白く深い雪が。