心臓が不規則なリズムで動くから、チカを見れない。
──…本当は
こんな日に
こんな時に
こんな場所で
言ってはいけない話だと分かっている。
だけど───…
「……純……
あたしたち………
もう一回……
やり…直せるよね…?」
「…………」
チカの言葉に、俺は静かに首を横に振った。
「───…うそ……」
「……チカ、俺達──…」
「───じゃあ!
じゃあどうして!?
どうしてあたしを助けたの?!
どうしてあたしに優しくするの?!」
「それは──…」
「あたしは!!!
あたしは同情なんかいらない!!!!」
チカは涙を浮かべてそう叫ぶ。
「ご搭乗ありがとうございましたー。」
その時、タイミング悪く観覧車が一周を回り終わり、扉が開いた。
チカは無言で観覧車を降り、歩いて行く。
───バタン!!
「───チカ!」
すぐに観覧車から降り、チカを追いかけ腕を掴むが──…
「──…放して」
「同情なんかじゃない。
俺は──…」
「同情じゃなかったら何なの?
傷だらけのあたしをあのまま放っとけなかったから?
お金なくて可哀想だから?
これが“同情”じゃなかったら一体何だって言うのよ──!!!」
辺りを静寂が支配する中、
凍りついたように立ち尽くす俺に
「──純の優しさは…
時に人を傷付ける……っ」
そう言うと、
チカは俺に背を向け離れていった。



