車を走らせたのは、クリスマスで最も賑わいをみせる街中。
窓を開けずとも聞こえてきそうなクリスマスソング。
イルミネーションが煌びやかな、カラフルな街並み。
──…さっそく、俺達もそんなクリスマス一色の街へと足を運んだ。
「わぁ~♪
彩、ずっとこれ観たかったんだぁ♪」
映画館で喜びの声を上げたのは彩だ。
たった今購入した映画のチケットを握り締め、嬉しそうに笑っている。
その笑顔に吸い寄せられてるかのように、俺は気付けば彩に話し掛けていた。
「……彩、ハリー・ポッター好きなん?」
「うん!!
中学の時からずっと本読んでたんだよ♪
本当に大好きで、ずっと観たかったの★」
「……へぇ……」
そーいや本読むの好きって言ってたもんなぁ……。
にこにこしてくる彩に、俺も思わずにっこり。
……そして。
映画開始までまだ一時間も余裕がある為、俺達は自然と横にある大きなゲームセンターへと足を運んだ。
それぞれが好きなゲームに夢中になる中──…
「────……?」
俺は彩の姿を遠目に見つけて、ピタリと動きを止めた。
「………」
どうやら、彩が一人でUFOキャッチャーに挑んでいる様子だ。
しかも、クリスマス衣装のプーさん……。
何か、いかにも彩が好きそうなやつやな……。
「……………」
……何か、かなり真剣っぽい。
声を掛けてはいけない気迫が伝わり、俺はその場から見守る事にした。
………が、しかし。
──ウィーン…
ガコン、ガコッ。
───ポトッ。
プーはあえなく落下。
「………」
その瞬間、
彩はしゅんとうなだれ、下を向いてしまった。
「……………」
──そんな彩を、
助けない訳がなかった。
─────チャリン。
「────彩、
プーさん好きなん?」
……そう言って、
俺はガラスの中の彩に笑いかけていた。



