───…時が立つのは一瞬で、あっと言う間に12月24日になった。
聖なるクリスマスイヴ当日。
冷たい風に凍えそうになりながら、俺はチカと共に早々と家を出て、みんなを迎えに回った。
キョーコ、マサシ、ぶんを乗せ、残る彩を迎えに車を走らせる。
───…しばらくして。
「あ、彩ちゃん来た来た♪」
チカの声と同時に、視線を向ければ──…
「おっじゃましまーす♪」
そんな明るい、彩の声が聞こえた。
────……ドキッ…
特別な日だからだろうか。
キョーコやマサシ、ぶんに挨拶を交わす彩がいつもより輝いて見える。
「彩ちゃーん♪
おっはよ★
今日も気合い入ってるねぇ★」
チカが振り向いて彩に笑いかける。
──…この前、
チカと彩、キョーコの三人で買い物をしたと言っていた日を境にチカは、彩を随分と気に入った様子だった。
「純、見て♪
彩ちゃんめっちゃ可愛いニットワンピ着てるよ♪」
「んー?」
……もちろん、俺は直接見る事なんか恐れ多くて出来なくて。
──…バックミラー越しに、彩を見つめた。
髪がもう胸あたりまで伸びていて、ふわふわのハーフアップ。
真っ白い、雪のようなワンピースを着て、きょとんとこちらを見つめている愛しい彩。
「…………ふっ……」
──…それはもう、
無意識に零れた笑顔だったと思う。
自然に湧き上がる愛しい感情を隠す事など、俺には不可能だった。
「こら!!純!
そんな目で彩ちゃん見るな!!」
「…お前が見ろって言うたんやんけ…」
そう言って我に戻りながらも、俺はまだ。
高鳴る胸を正常にコントロールする事など、到底無理だった。



