ぶんから話を聞いた彩は、目を真ん丸にして驚いた様子をしていた。
チカはそんな彩を見てくすっと笑い、
「…でね?
クリスマスも近いし、デートに誘ったらどう?
って提案してたとこなんだぁ♪」
そう話し掛ければ、
彩も彩で恋バナに顔を輝かせ始めた。
「キョーコ、いいじゃん♪
二人でデートしてきなよっ♪」
「……無理だよぉ…
二人でなんて緊張するもん……」
しかしさっきより真っ赤になって、下を向いてしまうキョーコ……。
………ん~………。
……初々しいというか、なんていうか。
でも俺が見てる限り、
キョーコとマサシは互いに想い合っていると思う。
……何か力になれんかなぁ…。
────……。
“クリスマス”。
クリスマス───…?
先程チカが言ったクリスマスのフレーズ。
次に、ふと俺の中である案が浮かんだ。
「あっ、ほんならさ?
トリプルデートしたらいいんちゃう?」
「何よそれ、一体どういうこと?」
瞬時に俺の胸ぐらを掴みそう聞くチカに、俺は落ち着きながら言い訳を繋げた。
「……いや…だから…
二人が恥ずかしいんやったら、
キョーコとマサシ、
彩とぶん、俺とチカで遊ぶ事にしたら気まずくないんちゃうかなぁって…」
クリスマスに彩と一緒にいたいという僅かな願い。
クリスマスにぶんといるのを邪魔しようという汚い願い。
───…聞いて呆れるような言い訳だよな。
我ながらガキみたいだ。
「……なぁんだそういう事♪」
……チカは納得したように頷いた。
俺はまたそうやって誤魔化す。
──…何もかも。
「彩ちゃんはどう?
一緒に行く?」
チカがそう言えば、
彩は少し悩んだ様子でぶんを見つめ、同意を求めていた。
ぶんは彩に大して優しく笑いかけ…。
「───行きます♪」
彩がぶんに背を向けそう答えた瞬間。
「よしっ♪決まりやな♪
じゃあ部活始めよや♪」
断られないように、俺はそう言ってすぐさま約束を締め切る。
彩がキョーコ達と話しながら姿が見えなくなると──…。
「……やってくれますね。」
ぶんは静かに俺を睨み付け口を開いた。



