Dearest 1st 〜Dream〜






彩はそこまで言うと、

言葉に詰まって俯いてしまった。





「………」






……俺はボロボロの心を引きずりながら、恐々と手を伸ばした。





まるで、壊れ物に触れるかのように。





許されない光に手を伸ばすかのように。







……ふわっ……








────……







彩の髪に触れた瞬間、

ふいに涙が零れ落ちそうになった。







──そこで思い出した。






俺は何があってもこの子を守ると決めたんだ。






どんな時も背中を押すと、






笑顔を守ると──…










「──…彩は、ぶんの何なん?」





「……え…



彼女…だよ…」






「──じゃあ堂々と胸張っといたらいいねん。



何も彩が逃げる事とちゃうやろ?




──今は彩が彼女やねんから。




睨んできたのかって、僻みとかちゃうんかな。



彩も彩で睨み返したら良かったのに。」








自信を持って。





強い思いがあれば大丈夫だから。





君は尚更、果敢な風にも立ち向かうんだから。





そんなつまらない思念に惑わされないで。









────前を見て。










「……朝岡さん…

ありがとう。」






俺は彩の頭越しに、

人混みの中、必死になって周りを見渡しているぶんを見つけた。






「……あ、あれぶんちゃうか?

彩の事探してるんとちゃう?」






彩は振り向き、戸惑いながらもぶんを見つめた。






二人の姿に、引き離せない何かを感じたのは確かだ。







「────行っといで?」








もう、迷うなよ。








俺は笑顔で彩の背中を押した。