頭を鈍器で殴られたような
心臓を八つ裂きにされたような
息の根を誰かに止められたような
その時の気持ちを
一体どう表せばいいのかなんて
俺は今でも分からない。
受け入れられなかった。
目の前の彩までもが灰色と化すなんて、
ピントがずれて彩が見えなくなるなんて、
そんなこと
今まで絶対なかったのに
「……そ…うなんや?
彩、良かったやん。
おめでとう。」
中身がないスカスカの言葉に色がない表情。
──さっきより酷い。
さすがに彩にも異変を感づかれているかもしれない。
だって彩が不思議そうに俺を見つめている。
───やめてくれ。
その目で俺を見るな。
その綺麗な瞳に、
ちっぽけで憎悪にまみれた俺を映すなんて耐えられない。
「……それで?
ほんで彩は何で泣いてんの?」
俺はそれ以上耐えきれなくてサッと話題を変えた。
「──…それが…
ぶんちゃん、元カノと別れたはずなのに未だに喋ったりして仲良さそうで……
あたし……
どうしても疑って信じられなくて──…
さっきも元彼女さんが来て睨まれて……
それで怖くて逃げ出しちゃったの……」
「…………」
「あたしが変なの?
信じられないあたしが悪いの?
元カノは確かにぶんちゃんのこと、あたしより沢山知ってる…
だけど……
だけど悔しいよ──…
好きなのに───…
あたしは誰より好きなのに──…
なのにどうして怯えなきゃならないの?
どうしてあたしが逃げなきゃいけないの?
どうしたら良かったの───…っ」



