しばらく歩き続け、俺は人が少ない体育館の裏へと彩を連れて来た。
多分、ここなら人目を気にせずゆっくり話が聞ける。
「朝岡さん…
チカさんは?
心配かけるんじゃ…」
「心配せんでえぇよ、
チカは帰ったから…」
「そう……
何か…ごめんね…」
彩は何か怯えるように俺を見て俯き、再び泣き出してしまった。
今、何故こういう状況なのか自分でもサッパリ分からない。
彩が涙を流しているのも、
その涙を、気付けば勝手に拭っている俺も──…
“どうして?”
その言葉だけが頭を回る。
「……さっき、今の今まで笑ってたやないか…
ほんまに…
どないしたん…?」
「…だっ…て…」
そんなに君が泣く理由。
……………
まさか───……
「───ぶんか?」
直感だった。
でも間違いない。
……その証拠に、彩は小さく頷いた。
「何か言われたんか?
ケンカしたんか?」
「…ううん…」
苛立ちが募る。
何で彩を泣かす?
あんなに意気込んで“守る”と宣言したじゃないか。
苛立ちの矛先は全てあいつに向かおうとしたその時。
「朝岡さん?」
「なに?」
彩は何か気付いたように顔を上げた。
「あの…ね…
あたしとぶんちゃん…
付き合ってるんだ…。
言うの…遅くなってごめん……。」
一瞬真っ暗になって
言葉が
分からなくなった



