「さっ!
二人の邪魔したらダメだから……
純、もう行こう?」
チカが俺の腕を引っ張り、ハッと我に返った瞬間。
俺は負けを認めるように小さく頷いた。
……本当は会いたかった。
会いたくて会いたくてたまらなかった。
でもそんな笑顔見せつけられたら、俺はきっと正気でいられない。
そばにいたい。
でもいられない。
「…せやな……
──じゃあまたな、彩」
ポンと頭を撫で、俺は出来る限りの笑顔で笑った。
「うん、またね♪」
──…そのまま笑顔で手を振り返したであろう彩を見る事もせず、背中を向けた。
───…ズキン
ズキッ────…
心臓に傷でもついたのだろうか。
やたらと痛くて仕方がない。
だって初めてだった。
彩の笑顔で傷つくのは。
今まで癒やされていたはずだった。
笑顔を見れば、疲れなんか吹っ飛んだ。
───俺の全てだった。
なのに……
どうして、今は彩の笑顔が凶器になるんだろう。
彩を見ただけで心が引き裂かれそうなんだ。
見たくない。
見たくない──……
「───あれっ…
ねぇ朝岡くんとチカと椎葉くんじゃない?!」
「………えっ!
もしかして早希?!」
チカが懐かしい名前を呼ぶ。
………早希………?
懐かしい名前に振り向くと、
「やっぱり!!
お馴染みトリオだ!!」
放心状態の俺の目に、そう笑う早希が映った。



