「いや、ちょっ…
そんな罰ゲーム聞いてない…」
「さっき言ったじゃないですか、“手を離したら大変なことになる”って♪」
「そうやけど…」
「はいはい♪四の五の言わずに潔くしちゃって下さい♪」
「……………」
んなバカな。
そんな簡単に出来る訳がない。
だいいち俺達はカップルどころか別れているのに。
「………」
チカは珍しく何も発言せず、少し複雑に俯いていた。
ナナちゃんは事情を知らないんだからしょうがない。
俺達の関係なんか、はたから見たらやっぱり“恋人”なんだ。
……でもなぁ……。
どうしよう……。
気まずい空気が流れ、
『キスしないと出れない』
的なムード満開の沈黙の中。
「………分かった。」
俺は覚悟を決め、チカの頬にゆっくりと触れた。
「──純?」
ビックリしたようにぴくりと反応したチカをじっと見つめる。
チカが動揺しながら真っ赤になる仕草に俺まで恥ずかしさが移っていく。
────そして。
「……目、閉じて?」
チカが目を閉じたと同時に、俺はゆっくりとチカに顔を近付けた。



