入り口の左右には、黒い布切れを被った骸骨がそれぞれ立ちはだかり─…
床下からはドライアイスの霧が揺れ、その本格的さに感心してしまった。
……もうここまで来て引き返せる訳ないし。
ここは一つ気合い入れてババッと行ってまうか。
「──…行くか♪」
そうチカに声を掛けるやいなや、
「…………」
───……んん?
いつもの強気なチカは一体どこに行ったのか。
怖そうに目先の闇を見つめている。
「───チカ?
もしかして怖いん?」
俺の声にバッと顔つきを変え、
「──…なっ!!何が!
こんなものしょせん作り物なんだから、全っっ然怖くなんかないわよ!!!!」
チカはツンとしながら入り口へと歩き出すが─…
━━━━ガチャン!!!!
「っきゃぁぁぁっ!!」
「──チカ!!!」
チカの叫び声に思わず駆け寄っている自分がいた。
「なっ…何よぉこれ!!」
俺も訳が分からず前方を見つめると─…
入り口の左右に立つ二人の骸骨が互いに鎌をクロスに交え、行く手を阻んでいた。
「──…あぁ……
多分手ー繋がんと中へは入れてくれへんのちゃうか?」
「──…えっ?あ……」
床にうずくまるチカの手を持って立たせれば、二人の番人の鎌は下ろされていた。
「……ほらな?」
「……うん……」
叫び声を上げた事が恥ずかしかったのか、
怖いくせに強がる事が恥ずかしかったのか、
またはどちらも恥ずかしかったのかもしれないけれど。
真っ赤に赤面するチカに思わず笑ってしまい─…
「──チカ。
絶対手ー離すな。」
「…………っ」
俺はチカと手を繋いだまま、暗闇の中へと進んだ。



