「彩から話は聞いてますけど…
いや、本当にかっこよくて目が点になっちゃいました!」
ナナちゃんは明るいトーンで俺に話し掛け、ニコニコと太陽のような笑顔を向けた。
「あはは…
まぁそれについてはあえてスルーするけど。
……な、このお化け屋敷って彩とナナちゃんのクラスの出し物なん?」
「そうですよっ♪
多分校内では一番怖いんじゃないかと♪★
あっ朝岡さん、良かったら彼女さんとご一緒にいかがですか?」
「──…えっ……」
──“彼女”──
そのフレーズに、俺とチカが揃って声を上げてしまう。
「カップルで一緒に入ったら楽しいですよ~♪
さっ♪どうぞどうぞ♪★」
「──えっ!!ちょっ─…」
突然グイグイと俺とチカの背中を押すナナちゃん。
「純ー頑張れー♪」
「泣くんじゃないわよ」
「怖すぎて失神しないでねー♪」
吾郎、マリア、壱の楽しそうな応援が背中に響く。
「…………っ」
……くそっ……
あいつら人事やと思って…っ!!
そんな文句を言い返す暇もなく、
「カップルで回る場合は、スタートからゴールまで必ず手を繋いで入って下さいね♪
もし少しでも手が離れたら大変な事になりますからね!
じゃあ行ってらっしゃーい♪」
「ちょっと待っ………」
───ドンッ!
ナナちゃんにされるがまま──…
俺とチカはお化け屋敷の中へと背中を押されてしまった。



