「あぁそれ?綺麗やろ♪」
その絵は、彩が描いた深海のイルカだった。
「うん、何てゆうか…
引き込まれる感じがする…」
チカは食い入るように見つめ、そんな感想をポツリと口にした。
「それな、今年太鼓部に入った新入生がくれてん。」
「へぇっ…新入生…
そっか、あたし今年入ってから一回も太鼓部に顔出してないから、全然新入生知らないや……
この絵を描いた子は女の子なの?」
「うん、彩っていってな…
絵ー描くのが好きやねんて。」
「……へぇ……
彩ちゃんって優しい表現をする子ね。
絵からも優しい感じがする…」
チカは穏やかな表情で絵を見つめた。
「………」
俺はその時徐々にチカが笑う回数が増えてる事に気付いた。
……そうだ、文化祭──…
チカにとって気分転換になる機会かもしれんな…。
「なぁチカ、高校の文化祭行かん?」
「──えっ?文化祭?」
チカはぱちぱちと瞬きをして、突然の誘いに驚いた様子を見せた。



