何だか変だ─…。
今まで彩に会える機会があるもんなら、速攻で行くと返事をしていたのに。
今は彩の顔を見れそうにもない。
“近いうちに彩に気持ちを伝えます”
そう俺に宣言したぶん。
……あれから彩とは全く連絡を取っていなかったし、
ぶんとその後どうなったかも知らない。
いずれにしても、
ぶんの隣で笑う彩なのか
ぶんの隣にいれなくて辛そうな彩なのか──…
どちらにしろ、
今の俺には相当堪える気がした。
好きなのに会いたくないなんて気持ちが本当に実在するんだと
……俺はその時痛いくらい思い知った。
電話を切って振り返れば、チカがじっと壁を見つめている。
「──…チカ?」
チカの後ろ姿に話しかけると、チカは俺の声に反応してクルリと振り向いた。
「──…この絵……
すごく綺麗だね。」
チカはそう言って、
壁に貼ってある絵を指差した。



