「……何言っ─…」
「だって!!!!
だって嫌なんだもん─…!
みんな……
みんな純のこと疑う…!」
「──……え?」
車のキーを差したまま、俺はチカが言った言葉の衝撃に驚きを隠せなかった。
「疑う…って…」
「医者も看護士もみんな純を疑ってるの!
みんな…
みんな純にDVされたんだろうって勘違いして……
違うって否定してるのに…!
何回も言ったのに…!
みんな純が殴ったって思ってる…!!!」
ハアハアと荒らぐチカ。
──…だからか…。
だからチカは診療室から出て来て困った顔をしていたのか……。
さっきの受付での冷たい態度も、
何となく感じた冷ややかな視線も──…
全部俺がやったと思われたからか…
どうりで視線が刺さると思った。
確かに世間からしたらそう見えるだろうな…。
でも──…
「でも、チカが否定して庇ってくれたんやろ?
……俺はそれで十分やよ。
ありがとうな、チカ。」
「──……………」
そう微笑んで前を向くと、チカは無言で何度も頷いた。



