───翌日。
「川瀬チカさーん。
中へどうぞ」
日付が変わって、ここは病院。
昨日の夜の闇とは違い、
朝日がチカの傷を露わにした。
殴られ蹴られて負った傷をあらためて見ると、とにかく酷かった。
気分が乗らないチカを何とか説得して、俺は病院へと繰り出して来た所だ。
「……行ってくる。」
「ん、ここで待ってる。」
そう笑いかけると、チカは不安げに俺を見つめている。
「……純……」
「ん?」
「いなくなったりしない……?」
「……せえへんよ。
待ってるから。
ほら、早よ行っといで。」
笑いながら頭を撫でると、チカはやっと安堵の表情を浮かべて診察室へと入っていった。
……よっぽど恐怖心があるんだろう。
その後ろ姿を見つめたまま、自然と険しい顔になるのが自分でも分かった。



