Dearest 1st 〜Dream〜






「チカ!」






「…………」





────ザァァァッ!






チカのか細い声が雨の音に掻き消され、全く聞こえない。





「チカっ…!

とりあえず送るから!

早よいこ!!」





俺が急いでチカの腕を取ると……





「───……や…」





「え?」





「いやぁぁあっ!!!!」





────パシッ!!!!





雨に負けない叫び声を上げ、チカは俺の腕を強く振り払った。






「───なっ…!?

チカ!!!




待てってチカ!!!」






バシャバシャと水を跳ね飛ばし、チカは背を向けて走り出した。






「───チカ!!!」






「いやっ!!!




来ないで!





帰りたくない!




あんな家…………っ





帰りたくなんかない───…っ!」






「───…待っ…

チカ!!!!」






俺は必死に追いかけ、

暴れるチカを後ろから抱き締めるように動きを止める。






「チカ!

分かった!!!




分かったから!




ほんなら俺の家行こう!!



な?!

それでえぇやろ?!」






「───…」






チカはようやく静まり、

怯えるように俺を見つめている。






「……ほら、背中につかまれ。

おぶって行くから。」







雨に濡れ、完全に冷え切った俺の手を差し出すと、





「…………」






チカは恐る恐るではあるが、手を重ねてきた。