「……どうしたん?」
俺は変な緊張を笑顔で隠しながら、ぶんと言葉を交わす。
「一緒に太鼓運んで頂けませんか?」
───どうみても
“話したい”と言ってるようにしか聞こえない。
「えぇで、いこか?」
そう言うと、ぶんはその返事が当たり前のように後ろを向いて歩き出した。
───夏の日差しが余計に部屋の温度を上げる準備室の中。
「…………」
俺とぶんは二人きりで静かに顔を見合わせていた。
いや、睨み合っていると言い切る方が正しいかもしれない。
とにかく二人とも口を開かない、そんな緊迫した空気が辺りを包んでいた。



