「──…ちょっと純。

とんだとばっちりなんだけど。」




マリアが気だるそうに俺に文句を吐く。




「ごめんごめん。」




「マリアの彼氏は俺なんだけどなぁ…」




吾郎が申し訳なさそうに笑った。





──そう、

俺はマリアと付き合ってなんかいない。




いつもこのメンバーでうろうろしてるせいか…





いつしか学内では、




『美男美女カップル』、



『お似合いカップル』、



『理想のカップル』




なんかと勝手に噂されるようになってしまった。





もちろん、それは全く根拠もないただの噂。




マリアの彼氏は正真正銘、吾郎だ。





「純はいいなー!!

いっつもモテモテでさっ。」





壱がうらましげに俺を見つめる。





……けど……





「何がえぇねん…。

俺全っ然女に興味ないわ。」






「……純…。



それ……



チカが聞いたら首締めにくるわよ。」





フゥと溜め息を出す俺に、マリアが毒を吐いた。