ケータイのスケジュールを開き、忘れないようにと彩の誕生日を登録していた時だった。
───ガラッ!
「あっ!!いた!
ちょっと彩!!
何呑気に部活出てんの?!」
「あれっ……ナナ?
どうしたの?」
“ナナ”と彩が呼んだ子は、彩の友達だろうか?
その子はいきなり部室のドアを開けたかと思えば、今度は彩の手をグイグイ引っ張っていく。
「ちょっ!ナナ!
一体何なのよ~!?」
「彩のバカ!今日から数学の補習でしょ!?
先生カンカンに怒ってんだからね!」
「ああぁっ!!!
そうだ補習だったんだ!」
───ブッ…!
悲惨な顔をして、慌てて部室を出て行く彩を見て吹き出してしまう。
天然というか、何ていうか─…。
成績悪かったんやろなぁ……
パタパタと走り去っていく彩の背中に向かって、
「彩~!補習頑張れよー!!」
そうエールを送ると、
「うん!!頑張る~!!」
「もー!!彩早くしなってば!!」
わざわざ立ち止まって手を振る彩を、友達がまた引っ張って。
また二人で全速力で駆け出すその姿を、
……不覚にも、
心底可愛いなと思ってしまった。



