すっかり夜の闇に包まれた道の上、俺は車をゆっくり走らせる。 「……あ……これか…」 “桜井”と書いた表札をやっとの思いで発見し、俺は車を停めて外へ出た。 ……閑静な住宅街の中、近代的な家が建ち並ぶ。 その中でも新しい一軒家の彩の家。 「…………」 ヤバいな… とんでもなく緊張する。 でも、せっかくここまで来たんやし。 今さら、何もしないでこのまま尻尾巻いて帰る事は出来ない。 ───ふぅっ…。 目を閉じ、迷いを捨てて。 ───ピンポーン。 若干震える指で、彩の家のインターホンを押した。